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まちくさ(町草)とは

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 ある日、道を歩いていると、ふと道ばたのひび割れの隙間から顔を出している草に目が止まった。それは、いつもは見て見ないふりをしているような「雑草」だったのだが、その草のわずかな隙間からこっそりと生え出ているけなげな姿に思わず目を奪われ、それからの日々、そういった町の中に生えている草たちを観察するようになった。
 社会一般的には、そういった草の群はまとめて「雑草」と呼ばれている。雑草の定義はまず一つ目に、畑や田んぼなど、人が農作を営む場所に生え、作物を栽培するうえで邪魔になる植物。もう一つは、町の駐車場や道路周辺、学校の運動場などの人が意図して植物の生育を試みていない場所に勝手に侵入し繁殖する植物、となっている。まさに人の役に立たない草「雑草」である。しかし、このように何のとりえもないものと見なされがちな雑草は、非常に特殊な生殖環境をもっているのである。まず、共通しているのは人為的撹乱を受けた場所に生育するということ。強い日照、水不足、貧しい肥料、人の踏みつけ、そして定期的な草刈り、そういった環境で生活を営み続けられるのは、その環境に強く適応したもののみであり、それが雑草なのである。そしておもしろいことに、人から必要とされることのない雑草は、人が作った環境の中でしか生きられない特殊な植物なのである。まさに、人と寄り添い生きつづけてきた唯一の植物といえるだろう。 
 
 私は、町の隙間を縫うようにして生える草の独特の生え方、その生えている場所の特徴に興味を持ち、町に生える草にも「雑草」とは異なる新しい名称や分類を与えてやることが出来ないかと考えるようになった。そこで、私は町に生える草たちに「まちくさ」という新しい分類を与えることにした。
 
 このブログは、そういった「まちくさ」による一日一草の日記である。

さあ、あなたも町草めぐりに出掛けませんか。




【プロフィール】
重本晋平(まちくさ博士)
1985年生まれ
京都出身。京都精華大学デザイン学科プロダクトコミュニケーションデザイン専攻2008年卒業。
この年に、町に生える雑草に自ら名前をつけて分類する「まちくさ」を考案、図鑑と絵本を制作する。
また、子ども達との路上探検ワークショップ「まちくさめぐり」のプロジェクトも開始。
現在に至るまで、自らまちくさ博士となり関西の小学校や施設をまわる。
また、精力的に展覧会なども開催し、日々まちくさの新たな可能性を探っている。
その他、京都市内で築120年町家に住みながら母屋をギャラリーとしても解放、運営している。
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by machikusa | 2008-02-11 18:29 | まちくさとは